血糖測定機器とは
糖尿病の治療の中で、血糖測定は重要です。血糖測定回数が多いことが、良好な血糖コントロールと関連があるとの報告もあります。
血糖測定機器にはSMBG機器と持続血糖測定器(CGM)があり、それぞれについて紹介します。
SMBG機器
指先にランセットという穿刺器具を押し当ててごく少量(米粒の半分程度)の血を出して、それをセンサーに付着させることで血糖測定するものです。
注射の糖尿病薬を使用している方や、一部の妊娠糖尿病の方は保険適用となります。
長所
かなり正確な血糖値が分かります。
短所
穿刺時に軽い痛みがあります。
ランセット
血糖測定器
測定の様子
持続血糖測定器(CGM)
500円玉くらいの大きさのセンサーを身体に留置することで、持続で血糖測定するものです。スマートフォン(対応しているものに限ります)や専用のリーダーなどに血糖値が送信され見ることができます。インスリンを使用している方は保険適用になる他、インスリンを使用していなくても6か月に2回検査目的で使用可能です。
長所
1日を通しての血糖の推移をグラフにして見ることができ、食事や運動、薬による血糖の動きを分かりやすく捉えることができます。また、高血糖や低血糖になったときにアラートが鳴るように設定することができます。
短所
留置部に皮膚トラブルが起こることがあります。また、実際の血糖値とのずれが大きくなることがあります(ただし近年は機器の改良によりずれが小さくなっています)。
フリースタイルリブレ2
フリースタイルリブレ2のセンサー、
フリースタイルリブレLinkのアプリ
フリースタイルリブレ2の
専用リーダー
- 肩にセンサーを留置することで、14日間連続して使用できます。
- スマートフォンにフリースタイルリブレLinkというアプリをインストールすることで、スマートフォンで血糖値が確認できるようになります。
- ノボペンエコープラス®などのスマートインスリンペンと連動させることで、血糖値のグラフ上に、いつ何単位のインスリンを打ったかを表示させることができます。
- フリースタイルリブレLinkは、シンクヘルスというヘルスケアアプリと、アプリ間連動ができ、食事・運動・服薬・血糖値の推移の情報を集約させ俯瞰で見ることができます。
- リブレLinkUpというアプリを使用すると、ご家族の方が遠隔で血糖値を確認することができるようになります。
- スマートフォンがない場合も、専用のリーダーがあれば使用できますが、機能は制限されます。
Dexcom G7
Dexcom G7アプリ、G7のセンサー
- 腹部や肩などにセンサーを留置することで、10.5日間連続して使用できます。
- 較正(SMBGでの血糖値とのずれを補正すること)ができ、実際の血糖値とのずれを抑えることができます。
- スマートフォンにDexcom G7アプリをインストールすることで、スマートフォンで血糖値が確認できるようになります(対応していないスマートフォンもあります)。一部のスマートウォッチでも血糖値が確認できます。
- Dexcom Followというアプリを使用すると、ご家族の方が遠隔で血糖値を確認することができるようになります。
- 緊急低値リスクアラート(20分以内に血糖値が55mg/dL以下になる可能性が生じたら事前予測してアラートを鳴らすもの)など、アラート機能が多彩です。
持続血糖測定器(CGM)の使用が
推奨される方
以下の方は持続血糖測定器の使用を勧めます
- 1型糖尿病・膵性糖尿病の方
- 主治医から、インスリン分泌能が落ちていると
言われている方 - ボーラスインスリン(超速効型インスリンや
速効型インスリン)を用いて治療している方 - 血糖値を遠隔でモニタリングしたい方
- 日常生活での血糖値の推移をよく観察し、
療養に役立てたい方
当院では、糖尿病の専門のクリニックとして、一人ひとりの患者さんにあった治療を提供します。