脂質異常症とは
脂質異常症とは、採血でのコレステロール値やトリグリセリド値の異常のことを言います。
一般的には空腹時採血で、LDLコレステロール(悪玉コレステロール)が140mg/dL以上、もしくはHDLコレステロール(善玉コレステロール)が40mg/dL以下、またはトリグリセリドが150mg/dL以上であると、脂質異常症と診断されます。ただしLDLコレステロールについては動脈硬化のリスク因子に応じて目標値が異なるので、140mg/dL未満でも治療されることがあります。
脂質異常症は無症状ですが、動脈硬化のリスク因子です。またトリグリセリドについては、500mg/dLを超えると、急性膵炎のリスクにもなります。従って、脂質異常症を早期発見し治療することは重要です。
脂質異常症の原因となる
特殊な疾患
治療
①食事療法
まず肥満は脂質異常症のリスクとなります。適切なエネルギー摂取量を目指しましょう。
適切なエネルギー摂取量については、糖尿病の食事療法の項も参照してください。
LDLコレステロール値を改善させる
食事療法
- 飽和脂肪酸を多く含む食品(肉類など)の摂りすぎに注意し、不飽和脂肪酸を多く含む食品(魚など)を中心にしましょう。
- コレステロールを多く含む卵、マヨネーズ、レバーなどの摂りすぎに注意しましょう。
トリグリセリド値を改善させる食事療法
- 飲酒を控えましょう。ビールでは500mL、日本酒は1合、ワインは200mL程度までが適量です。
- 菓子類やジュースの取り過ぎには注意しましょう。
②運動療法
有酸素運動(ジョギング、ランニング、水泳など)もレジスタンス運動(いわゆる筋力トレーニング)も効果的です。有酸素運動は、少し息があがるくらいの運動を、1週間のうちに3回以上、運動をしない日が2日間以上続かないように、1週間に計150分以上行うことが理想的だとされています。
③薬物療法
食事運動療法でもコレステロールやトリグリセリドの値が目標に達しない場合は薬物療法を検討します。家族性高コレステロール血症の方など一部の方で、飲み薬を使用しても十分なコントロールが難しい場合や、注射薬を検討することがあります。