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高血圧症

高血圧症とは

高血圧症は多くは無症状です。しかし高血圧が持続すると、動脈硬化や腎機能低下、心肥大・心不全、眼底網膜病変などの合併症を起こします。このため、高血圧症は早期発見と治療が重要です。

高血圧症の基準

血圧は年齢や合併症に応じて目標値が異なります。

75歳まで

  • 家庭血圧が125/75mmHg未満、
    診察室血圧が130/80mmHg未満

75歳以上

  • 家庭血圧が135/75mmHg未満
    (ただし、副作用がなく下げられるなら、130/80mmHg未満)、診察室血圧が140/90mmHg未満

特に、糖尿病や慢性腎臓病がある方や、脳卒中や虚血性心疾患の既往がある方は、厳格な血圧コントロールが重要です。

慢性腎臓病

高血圧症と内分泌疾患

他の疾患に伴って高血圧になることを二次性高血圧と言いますが、下記のように原因として内分泌疾患が多くあります。

内分泌疾患

  • 原発性アルドステロン症
  • クッシング症候群
  • 褐色細胞腫
  • 甲状腺機能亢進症
  • 甲状腺機能低下症
  • 副甲状腺機能亢進症

腎疾患

  • 腎血管性高血圧
  • 腎実質性高血圧

その他の疾患

  • 睡眠時無呼吸症候群
  • 大動脈縮窄症
  • 薬剤性高血圧

特に原発性アルドステロン症には注意が必要です。
原発性アルドステロン症の治療がされず、高血圧の治療のみされると、合併症の進行を十分に抑制できないことがあるからです。

原発性アルドステロン症

高血圧症の治療

1)血圧測定

家庭血圧が理想的

家庭血圧の測定が望ましいです。診察室血圧は、どうしても緊張の影響で高くなりやすいと言われています(白衣高血圧)。
腕に巻く血圧計を購入しましょう。手首のものは不正確になりやすく、できれば避けた方が良いです。

計測回数

理想的には1日2回測定(朝と寝る前に座って測定する)が望ましいですが、あまり厳格にやり過ぎて却って続かなくなるのも良くないので、できる範囲で頑張りましょう。

結果の記録

測定した結果は、シンクヘルスなどのヘルスケアアプリや手帳に記録して頂き、診察時見せて頂けると良いです。

2)食事療法

減塩

減塩が重要です。1日の塩分摂取量は6g未満であることが推奨されています。減塩というとなかなか難しく感じることが多いと思われますが、だしを効かせてみたり、代用塩(塩分の一部を塩化カリウムに置き換えたもの、ただし腎機能低下がある人は医師の指導の元で使用するべきです)を使用したりすることで、取り組みやすくなります。

節酒

飲酒は過量だと高血圧の原因になります。ビールでは500mL、日本酒は1合、ワインは200mL程度までが適量です。

肥満解消

肥満は高血圧のリスクとなります。適切なエネルギー摂取量を目指しましょう。
適切なエネルギー摂取量については、糖尿病の食事療法の項も参照してください。

糖尿病の食事療法

3)運動療法

有酸素運動(ジョギング、ランニング、水泳など)が効果的で、できれば1日30分以上を断続的にでも良いので(1回10分以上)行うことが望ましいとされています。レジスタンス運動(いわゆる筋力トレーニング)も有効だと言われていますが、有酸素運動の方がエビデンスは豊富のようです。脳心血管病のある方は、医師との相談の上で行うことが望ましいです。

4)薬物療法

合併症のある高血圧患者さんだと、その合併症の種類に応じて優先して使用すべき降圧薬が異なるので、一人一人の患者さんにあった薬を選択していきます。