高尿酸血症とは
高尿酸血症とは、血清尿酸値が7.0mg/dL以上であると診断されます。成人男性の20%、女性の5%が高尿酸血症であると言われています。
女性ホルモンが尿酸値の上昇を抑制するため、閉経前の女性は男性より尿酸値が上昇しにくいと言われています。
高尿酸血症の合併症
尿酸値が高いことそのものは無症状ですが、痛風や尿路結石などのリスクとなるので、注意が必要です。
痛風
痛風とは高尿酸血症が長期持続した結果、関節に尿酸の結晶ができて、それが剥がれることによって誘発される関節炎です。初めての発症の70%は足の親指の付け根であり、90%は足首より先と言われています。発作の12~24時間前に患部の違和感から始まり、その後3日間をピークとして患部の激しい痛みと腫れが起こります。発作後1~2週間くらいで徐々に改善し、その後痛みは改善します。しかし放置すると再発を繰り返し、常に発作が持続する慢性痛風関節炎に移行します。
また、足や手などに痛みを伴わない痛風結節というできものができることがあります。
尿路結石
尿酸値が高い状態が続くと、尿中の尿酸濃度が高まり、尿酸が結晶化して、尿路結石ができることがあります。
尿路結石は激痛を伴う他、感染を合併して結石性腎盂腎炎を起こすと、致死的になることがあります。
高尿酸血症の治療
食事療法
- 肥満は高尿酸血症のリスクとなります。適切なエネルギー摂取量を目指しましょう。適切なエネルギー摂取量については、(糖尿病の食事療法の項)も参照してください。また、極端な糖質制限は尿酸値を上昇させるので控えましょう。減量中は尿酸値が上がりやすいですが、水分をしっかりとると、尿酸値の上昇を抑制することができます。
- プリン体の多い食品(レバーなど)や果糖の多い食品(ソフトドリンクなど)は控えましょう。
- アルコールはビールがプリン体を多く含むことで有名ですが、ビール以外のアルコールも尿酸値を上昇させるので、節酒を心がけましょう。
ビールでは500mL、日本酒は1合、ワインは200mL程度までが適量です。
運動療法
- 有酸素運動(ジョギング、ランニング、水泳など)が効果的です。
- 高強度の運動は、尿酸値をかえって上昇させてしまう可能性があります(運動性高尿酸血症)。
普段尿酸値が高い方が、運動療法として高強度の運動を選択される場合は、医師と相談しておいた方がよいでしょう。
薬物療法
食事運動療法を実施しても目標となる尿酸値を達成できない場合は、薬物療法を検討します。特に過去に痛風や尿路結石を起こしたことがある方は、再発予防のために積極的に治療を行います。