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肥満症

肥満症とは

肥満症とは、肥満(体重が重い状態)に加えて、肥満に関連した合併症や内臓脂肪の蓄積があることをいいます。
ここでいう肥満とは、BMI(=体重(kg)÷身長(m)÷身長(m))が25以上をいいます。
肥満に関連した合併症とは、高血圧や耐糖能障害(糖尿病や糖尿病予備軍のこと)などの代謝疾患、脳梗塞や狭心症などの動脈硬化性疾患、変形性関節症などの運動器疾患、脂肪肝、睡眠時無呼吸症候群、月経異常などをいいます。
減量によってこれらの合併症が改善しうるので、肥満症の治療は重要です。

肥満症の治療方法

①食事療法

エネルギー摂取量の減量

エネルギー摂取量の減量が有効です。
標準体重=身長(m)×身長(m)×22として、

  • BMIが25~35の場合は、標準体重×25kcal
  • BMIが35以上の場合は、標準体重×20~25kcal

がエネルギー摂取量の目安です(減量に緊急性がある場合、更に減らすことがあります)。エネルギー摂取量を減らすと、蛋白質やミネラル、ビタミンが不足することがあり、その場合はフォーミュラ食を検討します。当院ではフォーミュラ食の案内もできます。

よく噛んで食べる

また、原始的な話ですが、よく噛んで食べるのが重要とされています。

②運動療法

有酸素運動

中強度の有酸素運動(速歩や自転車など)を週150分以上行うと、2~3kgの減量に繋がると言われています。

レジスタンス運動

レジスタンス運動(いわゆる筋力トレーニング)も、減量中の筋肉量の減少の抑制に効果的です。

③行動療法

食行動質問票

食行動の問題点(朝の欠食、早食い、間食、過食など)を抽出するために、食行動質問票というものを用いることがあります。

グラフ化体重日記

毎日体重測定してグラフにつける、グラフ化体重日記も効果的です。アプリを使用することで、グラフの作成が簡単にできます。1日4回の体重測定(起床直後、朝食直後、夕食直後、就寝直前)が理想とされていますが、なかなか大変だと思うので、1日1~2回の体重測定でも継続して実行することが重要です。

④薬物療法

マジンドール

食欲抑制薬です。依存性の問題から最大3か月までの処方になります。BMI35以上で適用となります。

GLP-1受容体作動薬

食欲抑制効果があります。主に2型糖尿病の治療に用いられますが、ウゴービ®という薬のみ、2型糖尿病がなくても使用できます。ウゴービ®はBMI27以上で肥満に関連した健康障害を2つ以上有するか、BMI35以上で適用となります。

当院の処方

GLP-1受容体作動薬

当院では日本糖尿病学会の通達に従い、保険適用外のGLP-1受容体作動薬の処方は行っていません。ただし肥満症は2型糖尿病の合併が多いため、精密検査を行い良い適用だと考えられる場合は、GLP-1受容体作動薬を処方していきます。

ウゴービ®

ウゴービ®は現状日本循環器学会・日本糖尿病学会・日本内分泌学会のいずれかの教育認定施設(ほとんどが総合病院です)でしか処方ができず、しかもその施設で食事・運動療法を指導されて6か月以上経過しても十分な減量に至らない場合にしか処方ができず、さらに処方は最大68週までと制限があります。当院では処方はできませんが、ご興味がある方は、処方可能な総合病院に紹介させて頂くことが可能です。

クリニックでの
肥満症治療のメリット

減量をするなら、トレーニングジムに行って、運動療法や食事療法を実践すれば良くて、あえてクリニックに通院なんてしなくていいじゃないかと思われる方もいらっしゃると思います。クリニックならではの肥満症治療のメリットは以下の通りです。

①代謝異常や体組成の
モニタリングができる

減量の意欲を持続させることは難しいことです。クリニックに通院して、定期的に採血・採尿や体組成を測定することで、モチベーションの維持に繋げることができます。
当院ではInBodyという体組成計をご用意しており、体脂肪量や筋肉量の測定ができます。
※肥満症に対する体組成測定は保険適用外になります。ただし合併している病気によっては保険診療で使用できることもありますので、ご興味があればお声かけ下さい。

②隠れている内分泌疾患の
チェックができる

甲状腺機能低下症、クッシング症候群などは、肥満症の原因となり、減量しても思うように体重が減らないことの原因となります。当院ではこういった疾患のチェックができます。

③薬物療法や手術療法を
検討できる

食事療法・運動療法・行動療法では減量が難しい場合、薬物療法や手術療法を検討できます。

他にも、医師・看護師・管理栄養士がチームとなって、治療のサポートができることがメリットだと思います。
肥満症の治療をご希望の方は、是非当院の受診をご検討下さい。