どんなときに糖尿病や内分泌の病気を疑うか?
内分泌の病気というと、「よくわからない」「稀な病気」というイメージが強いと思います。
ここでは、どんなときに糖尿病や内分泌の病気を疑うかということを説明します。
合併疾患から疑う
高血圧・糖尿病・脂質異常症・骨粗鬆症・尿路結石は、内分泌疾患の徴候として出現していることがあります。
通常の高血圧や糖尿病などとして治療され、背景の内分泌疾患の治療がされないと、深刻な結果を招くことがあります。
例えば
高血圧の背景として
原発性アルドステロン症が
あることが見逃される
血圧が十分に下がっても、アルドステロンの作用が抑えられていないと、動脈硬化や腎機能低下が進みやすいことが知られています。
2型糖尿病と診断されたが、
実は緩徐進行1型糖尿病だった
経口糖尿病薬で治療されても、全然血糖コントロールがつかずに、喉の渇きや体重減少などが改善せず、糖尿病の合併症も進行してしまう可能性があります。
尿路結石の背景として
原発性副甲状腺機能亢進症が見逃される
尿路結石を再発しやすい他、骨粗鬆症・腎機能低下・膵炎・消化管潰瘍などの合併症が出てくることがあります。中には、ひどい高カルシウム血症となって、意識障害となったり、致死的になることもあります。
高血圧や糖尿病、脂質異常症などは、一般の内科で治療されることが多い疾患ですが、理想的には、診断されたら一度は内分泌内科の先生に診てもらうと安心かもしれません。
症状から疑う
- 倦怠感
- 頭痛(高血圧を伴うもの)
- 寒がり・暑がり
- こむら返り
- しびれ
- むくみ
- 動悸
- 喉の渇き・尿量が多い
- 顔貌の変化(顔が丸くなる、眉間や頬骨・下顎が突出してくるなど)
- 首が腫れている
- 皮膚の異常(皮膚が薄くなる、青あざが多い、
腹部に赤い妊娠線のようなものができるなど) - 月経異常
- 性欲低下
- 体重増加・減少
など、様々な症状の原因が内分泌疾患であることがあります。
採血検査の異常から疑う
特に内分泌疾患との関連が強いのがミネラルの異常です。
ナトリウム・カリウム・カルシウム・リンなど。
他にもAST・ALT・LDH・ALP・CKの異常も、内分泌疾患が原因となっていることがあります。
内分泌疾患が疑われる場合は
当院にご相談ください
これらの状況があって、問診・診察のうえ、内分泌疾患が疑われる場合は、内分泌検査に進みます。内分泌検査は解釈が難しいものが多いのですが、内分泌内科はその解釈に長けています。
もちろん精査の結果、内分泌疾患でないこともありますが、専門治療を要すると判断される場合は、適切な専門科にご紹介させて頂きますので、ご安心ください。